スターバックス
メガネ置きです。
日本で1000店以上の店舗を展開する、シアトル発の巨大コーヒーチェーン、スターバックス。
皆さんは、このスターバックスが、コーヒー大国イタリアに何店舗存在しているか、ご存知でしょうか。
実は、わずか1店舗(2018年11月現在)です。
先日ミラノを観光した際に、そのスターバックスイタリア1号店を訪れる機会がありました。
今回は、その様子についてお話しします。
バール文化との共存
イタリア人の生活の中には、バールとともに育まれてきた独自のコーヒー文化が深く根付いています。
低価格で回転の早いバールに慣れ親しんだイタリア人の習慣が障害のひとつとなり、長い間スターバックスはイタリアに進出することができませんでした。
念願叶って完成したイタリアのスターバックス1号店は、流行の中心地であるミラノに位置し、焙煎設備が併設された「Starbucks Reserve Roastery」という高級志向の店舗でイタリアに勝負を仕掛けました。
…ミラノのスターバックス。もともとは郵便局だった古い建物を改装しており、重厚感のあるお洒落な店構えでした。
私が訪れたのは土曜日の午後だったのですが、店舗の前には行列ができており、店内に入るまで30分ほど並んで待つ必要がありました。
店内はモザイク画のようなユニークなデザインの装飾が特徴的で、開放感のある大きな空間になっていました。
巨大な焙煎マシンが中心に鎮座しており、コーヒーカウンターやベーカリー、バーなどがそれを取り囲むように設けられていました。
…焙煎設備の一部。焙煎されたコーヒー豆は、天井に張り巡らされたポールの中を通ってコーヒーカウンターへと運ばれる仕組みになっていました。
…コーヒーカウンター。
…ベーカリー。「Rocco Princi」というミラノで人気のパン屋さんと提携しているそうです。
私が最も驚いたのは、日本で人気のフラペチーノが、ひとつもメニューに載っていなかったということでした。
エスプレッソ文化が主流のイタリアに合わせ、メニューは様々な銘柄の豆を用いたエスプレッソや水出しコーヒー、窒素入りのニトロコーヒー、ティー、ラテなどが中心でした。
さらにケーキやマフィン、クロワッサンなどのデザート類、そしてピザなどの軽食類も豊富に取り揃えられていました。
あまりにも選択肢が多すぎて、注文する商品を決めるのが本当に大変でした。
…悩んだ末に注文したのは、ジャンドゥーヤのマキアートと、ラズベリーのチーズケーキ。どちらも上品な美味しさで、幸せを感じました。
個人的には、今後スターバックスで飲むコーヒーはバールで飲むコーヒーとは完全に別のものとしてイタリア社会に定着し、両者の棲み分けがうまく図られていくのではないかと思います。
バール文化と共存し、互いに好影響を及ぼし合いながら、スターバックス文化という新しい文化がイタリアに生まれることを期待しています。