リボッリータ
メガネ置きです。
今回は、私が気に入ったイタリアグルメについてお話しします。
Cucina Povera
イタリア料理は、歴史的に農民の食文化の影響を大きく受けながら発展してきました。
「Cucina Povera(貧しい料理)」と呼ばれる農民たちの料理が、現在に至るまで数多く残されています。
そんな彼らの料理には、当時最も懸案すべき事項だった「飢え」への恐怖を払拭するための、様々な工夫が込められています。
今回ご紹介するリボッリータという料理も、そんな農民社会から生まれた料理のひとつです。
トスカーナ州の郷土料理であるリボッリータは、かつて農民たちが、硬くなってそのままでは食べられないパンや余り物の野菜を消費するために作り出した煮込み料理です。
味のないトスカーナ州のパンと農民文化の主役食材である豆やキャベツなどの野菜を、シンプルな味付けで煮込んで作ります。
硬くなって食べられなくなったパンも、煮込むことによってとろとろとした柔らかい食感に変わり、廃棄することなく食べられるようになります。
そんなリボッリータも、現在はトスカーナ料理を提供するトラットリアやオステリアなどのプリモ・ピアットとして不動の地位を誇り、多くの人に親しまれる料理となっています。
…リボッリータ。とろとろのパンが主役の濃厚なスープのような料理で、見た目以上にボリュームがあります。
農民の料理ということで、見た目は「めちゃくちゃ美味しそう!」というわけではありませんが、一口食べてみればその真価がすぐにわかると思うので、ぜひお試しください。
…上の写真のリボッリータを提供しているのが、Ristorante Postaというボローニャのトスカーナ料理店。中心部からはやや外れた場所にありますが、本格的なトスカーナ料理を食べられるのでお勧めのリストランテです。