アルベロベッロ観光記
メガネ置きです。
バーリから電車とバスを乗り継いで約2時間、トゥルッリの建ち並ぶメルヘンな町、アルベロベッロを訪れました。
今回は、その様子についてお話しします。
三角帽子の町
アルベロベッロは、イタリア南部のプーリア州にある小さな町で、州都であるバーリから日帰りで観光することができます。
私はバーリからアルベロベッロまで電車(正確には、電車とバス)で移動しましたが、マテーラの時と同様に少し分かりづらかったので、簡単に解説しておきます。
アルベロベッロ行きの電車は「SFE」というもので、バーリ中央駅の正面入り口から入って一番奥にある、小さなホームから出発します。
この電車の本数は1時間に1本程度とかなり少ないので、逃さないように注意してください。
ただ、この電車は最終目的地であるアルベロベッロには直接到着せず、「Putignano」という駅でバスに乗り換える必要がありました。
車内で係員が案内してくれたものの、少々分かりにくい路線だなと思いました。
チケットの料金は、電車とバス合わせて片道5€でした。
アルベロベッロを世界的に有名な観光地にした最大の立役者が、この町に古くから伝わる、「トゥルッリ」と呼ばれる独特な造りの住居群です。
トゥルッリとは、石を積み上げて造られた三角帽子のような円錐形の屋根と真っ白な壁が特徴の建物で、この可愛らしい家々がアルベロベッロのメルヘンチックな町並みを形成しています。
…アルベロベッロのトゥルッリ。他の場所では見られない、独特な形をした建物です。白い家屋が、グレーの三角帽子を被っているようにも見えます。
このトゥルッリが建ち並ぶ地区は、例に漏れず「アルベロベッロのトゥルッリ」として世界文化遺産に登録されており、14世紀頃から受け継がれてきた建築技術が、現在に至るまで守られています。
…サンタ・ルチアの見晴らし台からの景色。トゥルッリが集中している、モンティ地区を一望できます。
…トゥルッリの町並み。観光の中心であるモンティ地区には、1000を超えるトゥルッリが建っているそうです。道を歩いていると、お伽話の世界にいるような不思議な感覚になります。
トゥルッリがこの町に普及した背景には、脱税を試みた当時の領主の悪知恵がありました。
もともとトゥルッリは、現在のような丈夫な白壁はなく、石を積み上げただけの円錐形のテントのような構造をしており、接着を施していないため容易に解体・再建することができました。
当時は住居の数に応じた納税が義務付けられていたので、税の徴収が行われる時期に合わせて解体できるトゥルッリは脱税の手段として目を付けられ、当時の領主によって積極的にトゥルッリ建設が奨励されました。
そのおかげで、現在のような三角帽子のメルヘンな町が出来上がったと言われています。
…サンタ・アントニオ教会。モンティ地区の頂上にあり、世にも珍しいトゥルッリの屋根を有した教会です。
…サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂。
また、アイア・ピッコラ地区と呼ばれるエリアでは、現在も住居として実際に利用されているトゥルッリの町並みを見ることができます。
モンティ地区のトゥルッリはどれも商業向けのお店として使用されているのに対し、アイア・ピッコラ地区のトゥルッリはありのままの姿で建ち並んでいるため、華やかさはなく控えめな印象を受けました。
…アイア・ピッコラ地区のトゥルッリ。モンティ地区に比べると、この地区はとても静かでした。かなり古そうなトゥルッリも見られました。
…お昼ご飯は、トゥルッリの中に作られたリストランテで食べました。
…生ハムとモッツァレラチーズの前菜。このモッツァレラチーズは、私の人生で一番美味しかったです。
…カヴァテッリという、プーリア州の伝統的なパスタ。トマトとリコッタチーズのソースでいただきました。
…暑かったので、デザートにレモンのシャーベット。さっぱりしていて美味しかったです。
今回の南イタリア旅行で訪れた中で、アルベロベッロは個人的に一番気に入った町でした。
そこまで大きな町ではありませんが、全ての道、全ての眺めに何かしらの魅力が発見できるような、とても素敵な場所でした。