MAST
メガネ置きです。
先日、イタリア文化の授業のアクティビティで、Fondazione MASTという技術博物館に行く機会がありました。
今回は、その様子についてお話しします。
包装の町
MASTは、ボローニャ旧市街から見て西の郊外に位置しており、ボローニャの歴史的な町並みとは対照的な、現代風の外観を持つ博物館でした。
内部も非常に現代的な作りで、ベルトコンベアーや歯車など、技術博物館らしいギミックが至る所に見られました。
MASTでは、1923年にボローニャで創立された「G.D」という会社の歴史や業績を、当時の機械や部品を見ながら辿ることができる展示が行われていました。
G.Dは、初めはモーターバイクの製造業社として出発し、その後お菓子や石鹸、タバコなどの包装機の製造業へと移行して大成功を収めた会社です。
実はボローニャは、包装機械の製造における世界的な中心地として知られており、G.D社は長年その分野の発展を牽引してきた会社なのです。
余談になりますが、伊藤園のホチキスを使わないティーバッグの包装機械は、ボローニャの技術の賜物なのだそうです。
プロジェクションマッピングを用いた会社の歴史の紹介や、実際にお菓子のラッピングを体験できる装置など、面白い展示がたくさんあって楽しかったです。
また館内には、「PENDULUM」という、産業に関する写真が集められた特設展示もありました。
最も印象に残っているのは、日本をはじめとする先進国の、地下鉄の乗客の様子をカメラに収めた作品で、ほとんどの乗客がスマートフォンに目を落としている現状が訴えかけられていました。
見学時間は2時間弱ほどとそこまで長くありませんでしたが、それでも十分に楽しく、そして勉強にもなったので、非常に有意義なアクティビティでした。